アルバイト採用
2024.2.29更新
アルバイト面接・質問の極意|選考辞退を防ぐポイントを解説!
アルバイト採用における面接は、採用側と求職者双方にとって非常に重要なポイントを担っています。一般的には、採用側が望む人材を選定する場として認識されがちですが、それだけに留まらない役割を果たします。実際には、求職者が企業や店舗を評価する機会でもあります。この記事では、アルバイト面接を成功に導き、採用へと結びつけるための重要ポイントを紹介します。
応募者が選考辞退するには理由がある!理由に応じた対策を!
面接時の「直前のキャンセル」や「当日の無断欠席」は、アルバイト採用における一般的な課題です。これらの状況は、応募から面接、そして採用に至るまでのプロセスにおける高いハードルを示しています。競争が激しいアルバイト市場では、応募者を選考辞退させずに入社へと導くためのポイントが特に重要です。ここでは、面接のノーショウを避けるためのポイントと、即効性のある対策法を紹介します。
応募者が選考辞退する理由は?
応募者から選考辞退され「条件に納得して応募してくれたはずなのに・・」と頭を抱えている採用担当者は多いのではないでしょうか。
上部のグラフにある学生向けの調査によると、応募者が面接に行かなかった理由は下記の通りとなっています。
採用側の対応による辞退理由
・すでに別の仕事が決まった
・応募後の連絡が遅く、志望度が下がった
・面接後の連絡が遅く、志望度が下がった・希望する仕事内容ではないと感じた
・希望する条件(給与・シフトなど)ではないと感じた
・面接の時間を調整できなかった
・面接で、職場の雰囲気が良くないと感じた
・面接官の対応が悪く、志望度が下がった
応募者に手間がかかることによる辞退理由
・履歴書などの準備が手間だった
こうして整理してみると、選考辞退理由の多くは採用側の対応を見直せば、一定改善できることがわかります。
応募者側の立場になると当たり前のことですが、応募者が同時に選考を進めている他の会社の存在を意識した採用活動が必要になります。
それでは、辞退を防いで効率的に面接に繋げるため、どのような対策ができるでしょうか。
この3つの要因に対する対策と心がまえをお伝えしていきます。
※株式会社リクルート「ジョブズリサーチセンター」調査
迅速に対応!応募が来たらすぐに日程調整を
求人へ応募をした後、返事が来るまでに期間が空いてしまうと、応募者は「忘れられている」「いいかげんなお店」「社員の従業員への対応が適当」という印象を持ってしまいます。
また、返事待ちの間に別の求人へ応募し、丁寧な対応の会社があればそちらに惹かれるのは当然です。
採用担当者は、応募が来たらすぐに応募者とコンタクトをとって日程調整を進めなければいけません。その際、業務が忙しくても丁寧な対応を心掛けることが重要です。
面接日程も複数用意するようにしましょう。
もし面接日程の候補日が1日しかない場合、都合が合わなければ辞退するしかなくなってしまいます。
そうならないために、日程候補はあらかじめ複数用意するようにしましょう。
そうすれば、応募者も自分の都合に合う日程で面接を受けやすくなります。
手間を簡略化!面接までに必要な準備を最小限に
面接辞退を防ぐには、できる限り応募者側の手間を省くことも重要です。
アルバイト採用では、面接時に履歴書を持参させるケースが多く、志望動機など多くの項目を
埋めなければなりませんが、すべての項目が本当に必要でしょうか?
当日持参で面接時に確認するなら、面接で聞けば済む項目も多いのではないでしょうか?
最近では、面接時に自社独自の履歴書を記載してもらうことも多くなってきています。
また、面接会場までの詳しいアクセスを事前に連絡しておくと、応募者が調べる手間を削減できます。
その際、口頭ではなくメールなどで後から見返せるようにしておくとなお良いです。
こうした細やかなケアで応募者の意欲を損なわないようにすることが有効です。
連絡はこまめに!会うまでに親近感と安心感を
面接日程が1週間以上空いてしまうなど、長い期間連絡が途切れてしまうと、その間により魅力的なアルバイト先を見つけたり、だんだんと面接が億劫になってしまうこともあります。
この場合は、面接1週間前、3日前、前日というように、こまめにリマインド連絡をすると良いでしょう。
応募者にメールやショートメッセージを送る際には、面接のリマインドに加えて、「面接で会えるのを楽しみにしている」旨を伝えることで親近感を抱いてもらうことにもつながります。
ただし、日程調整は電話での連絡が好ましいでしょう。
電話で連絡すると日程の調整がスムーズになるだけでなく、会話を通して応募者に安心感を与えることにもつながります。
その際には、「今お時間よろしいでしょうか」などちょっとした気遣いや丁寧な対応をすることで、応募者に好印象をもってもらえるかもしれません。
面接後の選考辞退を防ぐポイント
アルバイト採用では、面接通過後、研修や初出勤を目前にして辞退されてしまうケースも多いかと思います。
理由としては、応募し面接を受けたものの業務が不安になってしまったり、別の会社を選んでしまったり、ということがあげられます。
せっかく採用した人材を逃してしまわないように、面接後から業務開始までの期間もしっかりフォローできる準備を整えましょう。
面接後の連絡は迅速、かつ丁寧に!
新しい環境に飛び込む時、誰でも不安やストレスを感じてしまいます。
これから一緒に働く人に向け「同じ職場の一員として受け入れる姿勢がある」ということを伝えることが、直前の辞退を減らすことにつながります。
面接後の合否は、その場で出したり、後日の連絡となることもあるかと思います。
どちらの場合でも面接後はすぐにお礼の連絡をし、合否が後日の場合には、結果が後日になる旨や連絡の目途を伝えましょう。
応募者に「真剣に向き合ってくれている」という安心感を与えることや、仕事に対するモチベーションを切らさないように心がけましょう。
合否連絡後から初出勤までに1週間程度空いてしまう場合には、3日前や前日にメールやショートメッセージでコミュニケーションを取ることも有効です。
面接では仕事の面白さや醍醐味を伝える
面接においては採用側が応募者の情報を聞くことに重点が置かれ、実際の業務内容については簡単な説明になってしまうことも多いでしょう。
しかし、業務内容だけでなく、実際に働いて感じる仕事のやりがいなども伝えることが、面接後の辞退防止だけでなく、定着を促すことにも効果的です。
仕事の面白さは業務自体へのモチベーション向上につながったり、より明確に働くイメージを持たせたりすることができます。
教育・研修制度の充実をアピール
未経験の業務にチャレンジする場合、応募者は初勤務以降のことを考えて不安な日々を過ごすことでしょう。
面接時やその後のフォロー連絡で、研修や教育制度の内容が充実していることや、これまでも未経験のスタッフがいたことなどを伝えて、その不安を軽減してあげることが重要です。
また、応募者がどんなところに不安を抱いているのかを確認しておくことで、採用側も的確な対応をすることができ、勤務前から応募者との信頼関係を構築することができます。
実際に働く場所を案内する
初勤務前の不安の多くは「経験がないこと」、つまり「わからないこと」が原因です。
実際に配属になる可能性のある担当場所を案内したり、教育担当になるスタッフとコミュニケーションをとることがその不安の軽減に繋がります。
特に職場の下見をしても見ることができない場所や業務の案内や、知ることができない情報があると、「採用を前提に話してくれている」と感じ、
他の求人を探すリスクが軽減できます。
自社が持たれているイメージを把握しておく
面接前からアルバイト先の雰囲気を知るために、事前に下見をしてくる応募者も多くいます。
仕事内容だけでなく、人間関係やお店の空気感などもチェックされています。
また、インターネットやSNSで下調べをすることも当たり前になっていますので、事実ではない噂や評判も含めて、
どのようなイメージを持たれているかを知っておくことが重要です。
応募者とのイメージのギャップを軽減することが、採用や定着に非常に重要な要素になります。
採用後の定着に繋げる面接時の質問集
採用活動において、面接は非常に重要な役割を担っています。
せっかく応募者が集まって面接をしても、入社辞退や早期退職になってしまえば意味がありません。応募者を適切に見極め、採用及び定着に繋がる面接の質問内容をご紹介します。
初めて面接を担当する方にも、ベテラン面接官の方にもおすすめしたい質問ノウハウを、目的別に紹介しますので、ぜひご活用ください。
経験やスキルを確認する質問
・かんたんな自己紹介をお願いします。
・過去にどんな仕事を経験してきましたか?
・過去の仕事であなたが力を入れたものは何ですか?
・目標をもって何かに取り組んだ経験はありますか?
仕事への意欲を確認する質問
・お店のことは知っていましたか?
・この仕事に応募した理由やきっかけは何ですか?
・(接客業・サービス業の場合)人と接することは好きですか?
・仕事をするうえでのやりがいを教えてください。
・当社の仕事を通じて学びたいことはありますか?
・仕事で挑戦したいことや目標はありますか?
人柄や特性を判断する質問(他のメンバーとうまくいくか)
・好きなこと、モノは何ですか?
・趣味はなんですか?
・長期的に継続していることはありますか?
・周りからどんな人と言われることが多いですか?
・自分のことをどんな性格だと思いますか?長所と短所を教えてください。
・苦手なことはどんなことですか?
・チームで仕事をすることは得意ですか?
・あなたがチームで働く時に意識していることは何ですか?
・(仕事の具体的な状況を説明して)○○な場合、どうしますか?
店舗との相性を判断する質問(お互いに求める条件)
・いつから、週(月)に何日働けますか?または働きたいですか?
・月にいくら稼ぎたいなど、給料の希望はありますか?
・シフトに入れない曜日・時間帯はありますか?
・(学生ならテスト期間など)シフトに入れないことが決まっている期間はありますか?
・その他の業務をお任せすることもできますか?
・場合によっては残業も可能ですか?
・急なシフト変更に対応可能ですか?
・どのような環境で働きたいですか?
・未経験の仕事もできますか?
短期で辞めてしまわないかを判断する質問(ストレス耐性)
・以前のバイトを辞めた理由は何ですか?
・他に検討しているお店(会社)はありますか?
・ストレスを感じる時はどんな時ですか?また発散方法はありますか?
・何か挫折した経験はありますか?あるとしたら、それをどのように乗り越えましたか?
面接の最後には必ず「応募者が質問する時間」を設けましょう!
最後には必ず、応募者が逆質問する時間を設けましょう。
応募者が抱いている疑問や不安、そして不満を少しでも解消し、内定辞退を防げることが目的です。
また、ここで応募者の質問に対して丁寧に回答することで、応募者はより多くの情報を得られますし、結果として志望度を高められます。
もちろん、企業側にとっても質問の内容から入社意欲や積極性を判断することができます。
絶対にNG!気を付けなければならない採用面接での避けるべき質問集
面接の際に応募者に良くない印象を与えたり、差別などにあたる、そもそもしてはいけない質問項目について紹介します。
コミュニケーションのつもりで何気なく聞いてしまう質問の中にも、基本的人権や男女雇用機会均等法の侵害、就職差別、セクシャルハラスメント(セクハラ)にあたるものがあります。
これらは知らないでは済まないので、充分な注意も持って面接にあたる必要があります。
本人の意思では変えることができないこと、差別にあたる質問
・本籍はどこですか?
・住んでいる地域はどんな環境ですか?
・ご両親の出身地はどこですか?
・ご両親のお仕事を教えてください。
自由に選択できる思想・信条、宗教、支持政党にあたる質問
・神や仏を信じますか?
・信仰している宗教はなんですか?
・〇〇党についてどう思いますか?
・どこの新聞を取っていますか?
男女差別やセクシャルハラスメントにあたる質問
・今、付き合っている人はいますか?
・結婚や出産の予定はありますか?
・出産後も働けますか?
・女性ですが〇〇は大丈夫ですか?
・女性には〇〇をお願いしていますが、できますか?
その他の不適切な話題、質問項目
履歴書の項目にもあることですが、住居やその周辺環境に関する話題も、
相手に不快な想いをさせたり差別となるケースがあります。
自宅が持ち家か賃貸かのような資産に関する質問もNGです。
応募者の満足度を高めることが、面接辞退を減らす一番の近道です!
いかがでしたでしょうか。
効率の良い採用活動とするためには、企業側と求職者の双方にメリットがあることが必要です。
どちらかに不安が残ったり、妥協したまま進めてしまうと、採用につながらない、
もしくは早期退職となってしまいます。
採用側と応募者のどちらも満足できる結果となるよう、今回ご紹介した内容を活用し、採用活動を進めていただければと思います。