外国人採用

2022.06.06更新

外国人留学生アルバイトが守るべき「就労時間制限」とは?例外事項や罰則も解説

外国人留学生アルバイトが守るべき「就労時間制限」とは?例外事項や罰則も解説

外国人留学生がアルバイトをする際の労働時間は、法律で週28時間以内と定められています。雇用主である企業には、留学生の労働時間制限に配慮した運営が求められますが、適用される法律には例外事項なども多いため、適切に内容を理解して労働管理を行う必要があります。
そこで今回は、就労時間制限のルールに多く寄せられる疑問に対して分かりやすく解説します。

留学生に認められたアルバイトの就労時間とは?

留学生に認められたアルバイトの就労時間とは?

「留学」の在留資格で日本に滞在する外国人留学生は、出入国在留管理局が発行する「資格外活動許可」を取得することでアルバイトが可能になります。

外国人留学生がアルバイトできるのは週28時間まで

「資格外活動許可」を取得した外国人留学生でもあっても、本来の入国目的である勉学に支障をきたさないよう、アルバイトは1週間28時間以内と定められています。なお、時間の起算方法については1週間のうち、どの曜日からカウントしても常に28時間以内とする必要があり、続けて長時間勤務のシフトを組むことがないよう注意が必要です。
労働時間の制限違反は、留学生と雇用側双方が罰則を受けることになります。
留学生側は、最悪の場合強制送還。雇用側は「不法就労助長罪」にとわれることになり、3年以下の懲役、300万円以下の罰金、またはその両方が課せられます。
また28時間の就労時間には、残業時間や他のアルバイト先での就労時間も含まれます。

夏季休暇など長期休暇中は1日8時間の就労が可能

留学生が在籍する教育期間の校則で定められた長期休業期間に限り、1日8時間以内までのアルバイトが認められています。その際は、日本人と同じく労働基準法が適用され、就労時間の上限は週40時間となります。

なお、「1日8時間以内」のアルバイトが認められているのは、あくまでも「学則による長期休業期間」に限られています。長期休業期間以外で休講などが重なり、アルバイトが可能な時間が増えても「学則による長期休業期間」でなければ、週28時間以内が上限です。

就労時間制限を守らなかった際の罰則とは?

就労時間制限を守らなかった際の罰則とは?

決められた就労時間を守らなかった場合は不法就労となり、雇用者と留学生の双方が罰則対象となります。

雇用者には不法就労助長罪が適用

留学生が決められた就労時間を超過してアルバイトを行っていることが発覚した場合、雇用者には不法就労助長罪が適用され、3年以下の懲役、300万円以下の罰金、またはその両方の罰則が課される可能性があります。たとえ不法就労であると認識していなくとも、在留資格の確認など雇用者として行うべき確認を行わなかったり過失があったりした場合にも処罰の対象となります。

留学生は強制送還の対象になる可能性も

時間制限を守らずに働いた留学生は「資格外活動許可違反」となり、留学ビザの更新や就労ビザへの変更申請を行った場合に不許可となり多くの場合は帰国せざるを得ません。さらに、不法就労を行ったとして強制退去の対象となる可能性もあり、その場合は5年間日本に入国できなくなってしまいます。
最近では、「留学」の在留資格を取得して留学生として来日したのにも関わらず、実際にはフルタイムで勤務するなどの事例も頻発していることから、留学の在留資格審査が厳格化し一部の国の留学ビザの許可率が低下傾向にあります。留学生が本来の目的を果たすことなく取り返しのつかない事態にならないよう、雇用側も十分に配慮することが求められます。

入国管理局にルール違反が分かってしまう理由

外国人に関する様々な情報は、入国管理局のほか各市区町村役場、ハローワークなどの行政機関に共有され、入国管理局は在留カードを通じて外国人留学生のアルバイトの状況を容易に把握できる仕組みになっています。
また、雇用側の企業が行う納税手続きの過程で、市区町村役場から発行される納税証明書などには、外国人留学生の収入額が1円単位で記載されます。当然、時給に対して収入額の合計が大きい場合には制限時間の超過を疑われます。留学生が留学ビザの更新や就労ビザの取得のために入国管理局に申請した場合、入国管理局は既に時間制限を守っていない事実を把握しているため、ビザの更新や変更申請は不許可になる可能性が高くなるでしょう。

不法就労を防ぐために雇用者が気を付けるべきポイント

不法就労を防ぐために雇用者が気を付けるべきポイント

留学生が所定の就労時間を超過しないために、雇用者はどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。

休憩時間や休日の確認を怠らず労働基準法の遵守を

外国人留学生であっても、日本人と同じように労働基準法が適用されます。例えば、労働時間が6時間を超える場合は45分以上の休憩が必要とされていますが、長期休暇などで就労時間が1日8時間以上になった場合は1時間以上の休憩を与える必要があります。休日に関しても毎週1日の休日、4週で4日以上の休日が必要となり、守らなかった場合は労働基準法違反となります。

他社でアルバイトしている場合は労働時間のチェックを

複数のアルバイトを掛け持ちをしている留学生の場合は、全ての就労時間を合計して28時間以内に納める必要があります。知らないうちに時間制限を超過して働いていることなどがないよう、シフト提出時に他社での勤務状況も合わせて申告してもらうなど、できる限りの労働管理を行いましょう。

留学生以外の外国人を採用する際も在留資格を確認

留学生以外の外国人をアルバイトとして雇用する際には、保有する在留資格を確認し、適用される法律に基づいた運用を行いましょう。主な在留資格で定められた時間制限は以下の通りです。
1.特定活動
在留資格「特定活動」は、ワーキングホリデーや日本の教育機関卒業後の就職活動などを行う際に認められている資格です。ワーキングホリデーでは、留学生のような時間制限はありません。一方で就職活動を理由に特定活動ビザを取得している場合は、1週間28時間以内のアルバイトのみ可能で長期休暇時の就労時間の延長も認められていません。またインターンシップを理由に日本に滞在している場合は、受け入れルートや様々な条件により許可される就労時間が異なります。詳しくは管轄の入国管理局までお問い合わせください。
2.家族滞在
在留資格「家族滞在」は、特定の在留資格を取得している外国人の扶養を受ける配偶者とその子どもに認められている資格です。留学生と同様に週28時間以内でのアルバイトが可能です。
3.永住者・定住者
在留資格の「永住者」や「定住者」を取得している外国人の方は、時間制限なくアルバイトを行えます。

在留資格ごとの就労制限に関しては「外国人アルバイトを雇用する際に重要な在留資格(就労ビザ)を徹底解説」で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

留学生の時間制限のルールを理解し適切な管理を

日本でアルバイトを行う留学生が増加するなか、就労時間制限をはじめとする外国人留学生ならではのルールはほとんどの企業が知っておくべき問題になっています。外国人留学生のなかには、生活費や学費を確保するために出来るだけ長時間のアルバイトを望む留学生の方も少なくありません。人材不足の深刻化を受け、積極的にシフトに入って欲しいと考える企業の方も多いのではないでしょうか。
しかし、就労時間制限を守らず不法就労と判断されれば、雇用主である企業に罰則が与えられるだけでなく、留学生も本来の目的である留学を中止して帰国せざるを得ない状況になってしまいます。そうならないためにも、いま一度ルールの確認と管理を徹底しましょう。

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