リスキリングとは？実施の重要性やメリット、実施する上でのポイントなどをまとめて解説します！

リスキリングとは英語で「reskilling」と表記し、現在のスキルセットを更新して新しいスキルや能力を習得することを意味します。一般的にこの用語は急速な技術の進歩や経済の変化により、従業員が自身のキャリアを継続させるために必要なスキルを獲得する必要がある場合に使用されます。
よく「リカレント（recurrent）」との違いについて言及される事がありますが、リカレントは、基本的に個人が自分の意思でスキルを身につけるための学習を行う事を指し、一方でリスキリングは会社が主導の上、従業員に対して行うスキル習得のプロセスを指すことが多く、厳密には相互で異なります。
リスキリングはもともと「今後10~20年で国内労働者の仕事の約半分が自動化される」という社会的危機感を発端として生まれた考え方であり、特に欧米で先行して実践されてきましたが、日本国内においてもその重要性に対して各企業の関心が急激に高まりつつある現状です。

2021年に経済産業省が発表した指針ではリスキリングについて次のように規定されています。
「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する／させること」

日本においても近年DX（デジタル・トランスフォーメーション）化が各企業で推進されるに伴い、職場において様々な業務プロセスが自動化され始めています。こういった技術革新やデジタル化の進展を背景に、多くの従業員のスキルが陳腐化するに伴って、新しいスキルが求められるようになりました。
企業をはじめとする組織においては、従業員を新しい技術や業務プロセスに適応させるためにリスキリングプログラムを導入することで今後競争力を維持し、成長を促進する必要性が高まっており、組織・個人双方においてリスキリングは重要な戦略となっています。

組織におけるリスキリングの重要性やメリットは主に次のような点にあります。

・競争力の維持: 技術の進歩と競争環境の変化により、組織は常に最新のスキルと知識を持つ必要があります。リスキリングを通じて従業員が新しいスキルを習得することで、組織は競争力を維持し、業界の中で先行して進むことができます。

・イノベーションの促進: リスキリングは新しいアイデアやアプローチを生み出すための土壌を作ります。従業員が最新の技術やトレンドに精通し、新しいスキルを獲得することで、イノベーションの促進につながります。リスキリングによって従業員の創造性や問題解決能力が向上し、組織全体の成果に寄与することができます。

・人材の定着とモチベーションの向上: リスキリングは従業員のキャリアの発展と成長の機会を提供します。組織が従業員のスキルアップやキャリアの進展をサポートする姿勢を示すことで、従業員は組織に対する忠誠心や関与度を高めることができます。また、リスキリングによって従業員は自己成長の感覚を得ることができ、仕事へのモチベーションが向上します。

・レジリエンス（≒適応力）の向上: 組織がリスキリングを実施することで、将来の変化や不確実性に対応する能力が向上します。従業員が柔軟性と適応力を持ち、新しいスキルを習得することで、組織は変化に対して迅速かつ効果的に対応することができます。これにより、組織の持続性とレジリエンスが高まります。

・人材獲得と人材開発の強化: リスキリングを実施する組織は、魅力的な雇用主としての評判を築くことができます。求められるスキルセットに合わせて従業員を育成し、最新の知識を持つ人材を獲得することができます。これによって、組織は優れた人材を確保し、成果を最大化することができます。

上記のように組織におけるリスキリングは、将来の効率的な人材獲得にもプラスの影響が及ぶと言え、こういった観点でも人手不足に直面する企業の解決策や突破口にもなりうると言えます。

個人におけるリスキリングの重要性やメリットは、以下の点において特に注目されます。

・キャリアの成長と進展: リスキリングを通じて新しいスキルや知識を習得することで、自身のキャリアの成長と進展が可能になります。新しいスキルを身につけることによって、自己の市場価値を高め、求められるポジションへのアクセスや昇進の機会を増やすことができます。

・雇用機会の拡大: 技術の進歩や経済の変化により、求められるスキルセットも変化しています。リスキリングを行うことで、需要の高いスキルや新興分野の知識を獲得し、新たな雇用の機会を広げることができます。また、競争が激しい労働市場において、リスキリングは自己の競争力を維持するためにも重要です。

・柔軟性と適応力の向上: リスキリングは、変化の激しい環境において柔軟性と適応力を高める助けとなります。新しいスキルを習得することで、異なる業務や役割に柔軟に対応できる能力を養うことができます。これによって、不確実性の高い状況においても自信を持って対処し、変化に対して迅速に適応できるようになります。

・自己成長と満足感の向上: リスキリングは自己成長の機会を提供し、個人の能力や自己実現の範囲を広げることができます。新しいスキルを獲得する過程や成果の喜びは、自己満足感やモチベーションの向上につながります。また、自己成長への積極的な取り組みは、自信と自己評価の向上にもつながります。

・技術革新への参加: リスキリングによって最新の技術やトレンドに追いつくことができれば、新たなアイデアやイノベーションに参加する機会も広がります。自身のスキルや知識のアップデートによって、新しい技術やビジネスの可能性を見出し、業界や社会全体の発展に貢献することができます。

上記のように個人におけるリスキリングの重要性やメリットは、自己成長によって、充実したキャリアを実現させるといった観点で捉えられるケースが多いです。

企業がリスキリングを実施する上で重要なポイントの一つ目に「従業員のスキル評価とマッピング」を挙げましたが、まずはじめに組織は誰にどういったリスキリングを実施する事が妥当かを特定する必要があり、ここを正確に特定できるか否かによって、その後適切なリスキリングプログラムを立案・実施できるかどうかが決まると言っても過言ではありません。

そして各従業員に対するリスキリングプログラムをそれぞれ特定するためには、現状の組織において各従業員がどのようなスキルをどの程度持っているのかについて客観的に把握・評価する必要があります。そのために従業員や組織の現状を客観的に診断する事ができるツール（アセスメントツール）やシステムの活用を推奨します。

こういった人材・組織を診断することができる代表的なツール・システムとして「CUBIC（キュービック）」が存在します。

CUBICは人材採用時や組織内における人的資源を可視化・見える化し、人と組織のあるゆる成長に活用する事を目的として開発された人材・組織診断システムです。
業界や規模を問わず13,000社以上の導入実績を誇り、活用例も多岐に亘ります。たとえば採用試験からチームワーク分析、リーダー適性・職種適性、教育研修から育成に至るまであらゆるニーズに対応可能です。
また業界内でも比較的安い料金で利用可能で、WEB版には定額プランも存在。日本語以外にも英語・中国語・ベトナム語・韓国語・ミャンマー語での多言語受検にも対応しており、外国人採用を積極的に進めている企業などの活用事例も増えています。（※診断結果は日本語表記のみ）
CUBICは心理・行動科学における数多くの研究結果を裏付けとして開発されたシステムである事から診断結果の精度や信頼度も高く、非常にコストパフォーマンスの高い診断システムとして幅広く認知されています。

CUBICを活用して貴社と従業員の現状を今一度正確に洗い出し、まずは貴社独自のリスキリング実施計画の立案に役立ててみるのはいかがでしょうか？