アルバイト採用
2020.07.11更新
採用動画の効果と有用性について解説|効果的な活用事例もご紹介!
新卒採用の領域ではかねてから活用されいる採用動画ですが、昨今では中途採用、アルバイト採用の領域で活用する企業も増えています。
このように、採用市場全体で採用動画の活用が一般的になる背景にはどのような要因があったのか、また動画を使った情報提供の有用性についても触れながら、採用動画の活用がもたらす効果について考察します。
今からでも遅くない採用動画活用
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採用動画とは?ChatGPTに聞いてみた。
そもそも採用動画とはどういったものなのか、という質問をビジネスの現場でも今や必須ツールとなりつつあるChatGPTに聞いてみました。回答としては、
「採用動画は、企業が自社の魅力や働く環境を映像や音声を用いて表現し、求職者に対して提供する動画コンテンツです。採用動画は、企業のブランドイメージの構築や求職者とのエンゲージメントの向上に役立ち、仕事の魅力や職場の雰囲気をリアルに伝えることができます。これにより、求職者の興味や関心を引き付け、優秀な人材を採用するための手段として活用されています。」
と、的確な回答に驚きました。
このChatGPTはGPT-3.5の為、2021年9月時点までの情報を参考に回答されます。ということは、その時点でこれだけ的確な回答を出せる程の情報がweb上には存在していたことになります。すなわち今日では採用動画はもはや一般的な採用コンテンツの1つになっています。
本記事では、既に採用動画を活用している企業に追い付け追い越せ、上記回答内容の深堀に加えて、採用動画普及の背景や動画の有効活用方にも触れながら解説します。
採用動画が普及した背景
昨今一般的になりつつある採用動画の活用ですが、その普及した背景にはいくつかの要因が存在します。今回は求職者側の事情、採用企業側の事情、それぞれの側面でピックアップして考察します。
求職者の情報収集方法の変化
求職者側の要因として、仕事探しの際の情報収集法方法の変化が考えられます。
近年、スマートフォンを所有することが一般的になり、仕事探しの際の情報収集方法も多岐にわたっています。その中でも近年ではSNSで仕事に関する情報収集を行う求職者が増えてきています。SNSの代表的なものとしてLINEやTwitter、Instagram、YouTubeが挙げられますが、どのSNSでも昨今よく見るコンテンツとしてショート動画があります。このコンテンツの広がりと共に、採用動画もより広範囲に広がったと考えています。
この動画の特徴としては、短い時間でリアルな情報を閲覧者が得られるという点にあります。近年の若年層を中心に時間をかけすぎずに良質な情報を得ようとする傾向が強まっており、仕事探しの場面においてもこれが波及していると考えられます。
採用競争の激化
次に企業側から見た要因としては、人手が足りないことに加えて、優秀な人材を採用することが年々難しくなってきていることも要因と考えられます。少子高齢化による働き手の減少、特定の業種における離業の深刻化等が起因し、企業間の採用競争が激化するにつれ、これまでの単純に求人媒体を使用した採用手法では十分な応募数を獲得することが難しくなっています。
そのため採用企業では、求人媒体では獲得できない詳細な情報を探す求職者に向けたオウンドメディアでの情報展開や、新たな採用チャネルとして、SNSを見る機会が多い若年層を中心とした求職者(または潜在層)に向けた、情報のアプローチを積極的に取り入れていく動きが見られました。その中の1つの情報提供の選択肢として動画を活用する企業が増えていったのではないかと考えています。
採用活動における動画活用の有用性
採用動画は一般的な採用手法の1つになっていますが、そもそも採用活動において動画の活用は有効なのでしょうか。
ChatGPTに聞いてみても、「採用活動において動画を活用することは非常に有効です。」
との事でしたが、ファクトチェックしてみると、情報量と記憶定着性の2つの観点からその有用性が明らかになっていました。
採用動画の情報量について
採用動画の有用性を考えるうえで、まずは情報を伝える手段として動画という選択肢をとることについて考えます。動画によって与えられる情報量については以下のようなことが言われています。
・動画1分の情報量→webベージ3,600ページ分→文字180万文字→原稿用紙4,500枚
これだけでも情報を伝える手段として動画がいかに効率が良いかということがわかります。
また、1971年に米国の心理学者であるアルバート・メラビアンが提唱したメラビアンの法則では、人がコミュニケーションを取る際に、言語・聴覚・視覚の情報がどの程度の影響を与えているのかについて明らかにされています。メラビアンの法則では、それぞれが次の割合で人の情報伝達に影響を与えていることが示されています。
視覚情報:55%
聴覚情報:38%
言語情報:7%
上記からも動画を使った情報提供の有用性が高い事は納得できます。
採用動画は記憶に残りやすい
これだけの情報量がある動画ですが、記憶に残りやすいといった有用性も下記のような観点から提唱されています。
アメリカ国立訓練研究所が発表した「ラーニングピラミッド」の研究結果によると、文字を読んで学習した際の記憶定着率が10%なのに対し、動画視聴した場合の記憶定着率は20%という結果が出ています。従来の求人の情報提供が文字中心であった事を考えると、動画が記憶定着の面でもより有効であることが分かります。
採用動画の活用で期待できる効果
求職者への情報提供手段として、動画を活用することに有用性がありそうだということが分かってきました。それでは、実際に採用動画を活用することで、採用活動にどのような影響が考えられるのか。採用動画の活用によって期待できる効果について考えてみます。
応募意欲の醸成
求職者が仕事探しの際に情報収集に訪れるであろう下記のようなチャネルに採用動画を配置することで、自社の求人への応募意欲を醸成することも可能であると考えています。
・自社ホームページ
・Indeedの企業ページ
・採用支援ツール
・自社SNSの投稿
これらのチャネルは仕事探しのきっかけとして見られることもありますが、どちらかといえば求職者が企業の求人を認識してから、応募するまでの間の情報収集の手段として活用するケースが考えられます。その際に、情報が不足していることによる離脱を防ぐ観点でも、十分な情報量を効率よく伝達できる動画を配置することは有効であると考えています。
定性的な内容を的確に伝えることができる
求職者が仕事選びの参考にする情報の中でも、重要度の高い情報として「社風・人」といった数値では測れない定性的な内容について重要視されています。22年の株式会社ディスコの調査でも、調査対象の9割以上の求職者が「社風・人」にこだわって企業を選びたいという回答結果が出ています。
このような定性的な内容を求人媒体等の文字で正確に伝えることは難しいのが現実です。
しかし、動画であればオフィスや従業員の雰囲気や空気感等も細かなニュアンスまで伝えることが可能になります。文字で伝えると、「和気あいあいとした雰囲気」といったように全くニュアンスが伝わらないような内容も動画を使うことでリアルに近い情報を求職者に提供することが可能です。
ミスマッチの軽減
有用性の部分や前述した内容を踏まえると、動画によって収集した情報に求職者が共感を示して応募→採用となった場合、その定着率にも影響が出ます。求職者は十分な情報を得たうえで、その企業・仕事の善し悪しを判断し意思決定します。自分に合わないという判断も入社前、応募前に気づくことができる為、入社後の早期退職リスクも軽減されるものと考えています。
潜在層へ、将来の採用チャンスに向けたアプローチ
SNSやショート動画といったように、誰でも見ることができるチャネルや方法で採用動画を展開することで、仕事探しのニーズが顕在化していない、潜在層への情報提供も可能になります。
この情報提供によって将来、動画の閲覧者に仕事探しのニーズが顕在化した際に、自社の仕事が選択肢として想起される可能性を高めます。テレビCMや各SNSの広告も、刷り込まれるように毎日目にするものが多いですが、これが将来の応募者獲得のきっかけになっているケースも少なくありません。
採用動画を効果的に活用するには
ただ動画を作って配置したからと言って、採用活動が上手くいくとは限りません。採用動画を活用して、最大限の効果を得るためにはいくつかのポイントを抑える必要があります。弊社の考える採用動画活用の際のポイントについてご紹介します。
動画のターゲットを明確にする
1つ目は、採用動画を作成する際のポイントとしてどんな人に見てもらうための動画なのかを明確にする必要があります。
前提として「誰が見ても共感できる採用動画」は存在しません。そのためターゲットを定める必要があります。この時には、ぼんやりと広めにターゲティングするよりも、1to1のイメージで「この人が見たときに、この部分に共感してくれる採用動画」といったようにターゲティングする方が効果的です。
ターゲット目線で動画コンテンツを考える
2つめは、ターゲットの目線になって考える事です。採用動画普及の背景としてショート動画の普及を上げましたが、このコンテンツを見るであろう求職者をターゲットと考えたときに、下記のようなポイントが上げられます。
・スマートフォンを使用して見る。
・短い時間で見る。
・SNSを良く使う。
・比較的年齢が若い層の閲覧が想定される。
これを想定して動画を作成することでより多くのチャネルで活用でき、且つ多くの求職者や潜在層にも情報を届けることが可能になると考えています。
採用動画閲覧の導線を確保する
3つ目は、作成した採用動画を拡散するためのチャネルを確保することです。採用動画を作成したら、その動画を多くの人に見てもらう必要があります。大手企業であれば自社のHP流入から動画へ誘導することで一定数の閲覧を確保することは可能かもしれませんが、中小企業ではそうは行きません。自社サイト外のチャネルで、採用動画への導線を確保することが必須になります。
その方法としては様々ですが、これも採用動画を見せたいターゲットによって使い分けることが重要です。そのため、SNSやweb広告といったチャネルの確保はもちろん、どういった検索キーワードでこの情報を探す可能性があるかといったトレンドの情報についても感度高くキャッチする必要があります。
採用動画作成の際に参考にしたい動画4選
採用動画作成の際のターゲティングやコンセプト立案の際に、ぜひ参考にしていただきたい事例を4つご紹介します。
大手ファミレス企業の採用動画
こちらの企業は、アルバイト採用に関しても非常に力を入れており、特に主婦採用にも積極的に取り組まれています。
昨今、家事の延長線上でも働けることを伝え主婦人材を確保しようとする動きがある中、家庭と仕事を両立する主婦スタッフの様子を動画で演出しています。
主婦ならではの「多忙な日々の中でも働くことは出来るのか」といった不安を払しょくするような内容を視覚的に伝えることで働きたい主婦の応募へのハードルを低くすることに貢献しています。
大手アパレル企業の採用動画
こちらの企業は、店舗のアルバイトの方は若年層が多い業態ですが、そういった人材を求人広告や採用HPだけでなく、このお店で働くことに興味を持った人たちに向けて動画を用いて応募ハードルを低くする取り組みを行っています。
ここでご紹介する動画は「プライベートな自分と仕事場での自分」を表現した内容の動画です。
普段の自分の姿とここで働いた自分のイメージを重ね合わせさせることで求職者の応募のハードルを低くする工夫が感じ取れる動画となっています。
大手回転寿司企業の採用動画
こちらの企業では、高校生を採用ターゲットとしたアニメーション動画を紹介します。
学校とアルバイトを両立しながらも日々多忙な高校生を主人公にしており、自分が大事にしている学校でのバンド活動に励みながらアルバイトと両立することが出来るといった内容に仕上がっています。
誰のため・何のために仕事をするのかといったことが動画のテーマにもなっているので「自分にとっての働くことってこういうことかも」と感じさせることの出来るような目を惹くことが出来るのも大きなポイントとなっています。
また、動画とともに音楽を流すことで最後まで視聴した人の目と耳を惹く工夫があり、アニメーションならではの演出がされており、最初から最後まで飽きることなく視聴することのできる動画となっています。
大手webサービス企業の採用動画
こちらの企業は、熱量の高い若手社員へのインタビューをメインにした内容となっています。
それぞれの社員が仕事に対する想いや、若手からでも多くのチャンスがもらえることを語っており、ターゲットが若手のキャリアアップ志向の強い求職者層に定められている事がみてとれます。
おしゃれなオフィスやスタッフの声に加えて、動画の後半には撮影中の裏側を映した、よりリアルな職場の雰囲気が伝わるような動画になっています。
採用戦略の1つとして、動画を活用する価値はある
採用動画を通じて求職者にリアルな雰囲気や職場の様子を伝えることで、求職者の興味や関心を喚起し、応募意欲を高める効果があります。また、動画を通じて企業の価値観や社風をリアルに伝えることで、求職者とのマッチングがより精度高くなり、ミスマッチや早期退職のリスクを軽減することができます。
さらに、動画を広範囲のチャネルで展開することで、潜在層へのアプローチや将来の採用機会の拡大にもつながります。求職者の仕事探しニーズが顕在化した際に、自社が選択肢として思い浮かぶ可能性を高めることができます。採用全体の最適化を図る中で、長期的な採用戦略の一環として、採用動画の活用を積極的に検討してみる価値がありそうです。