アルバイト採用
2026.07.22
アルバイト・中途採用の面接官のやり方とは?自社に合う人材を見極める4ステップを解説

面接官のやり方で本当に重要なのは、面接中に何をどう話すかではありません。
面接が始まる前に、何を見極めるかを決めておくことです。
ところが「面接官 やり方」で調べると、面接官の役割や心得といった話が並ぶことが多いです。
しかし明日の面接を任された人が知りたいのは、もっと手前の具体的な話ではないでしょうか?
本記事では、明日の面接からそのまま使える実践的な面接のやり方を4ステップに分けて解説します。
面接のやり方を体系化し優秀な人材の見極めから定着までを採用に導く実践ガイド

面接を任されたけど、何から始めたらよいかわからない方や採用しても定着せずお困りの方に。
この資料では、アルバイト・中途採用それぞれの質問設計のやり方や明日から使える面接ノウハウを紹介しています。
面接官のやり方は「本番の話し方」ではなく「準備と基準」で決まる
面接の成否は、面接官が席に座る前におおむね決まっています。
本番の話し方を磨くより、準備と基準を整えるほうが結果に直結するからです。
「面接のやり方」と聞くと、「どう質問を切り出すか」「どう場を和ませるか」「どう相手の本音を引き出すか」などを想像される方が多いのではないでしょうか?
しかしその場の話術で見極めができるのは、何を見極めるべきかが決まっている場合に限られます。
たとえば「明るくて前向きな人がほしい」という状態で面接に臨んだとします。
応募者が笑顔で受け答えをすれば、面接官は好印象を持つでしょう。
ところがその明るさが職場で必要な性質なのか、単に面接という場に慣れているだけなのかは、判断がつきません。
基準がないまま面接をすると、印象の良し悪しだけが残ります。
一方で「土日のシフトに入れること」「クレーム対応で感情的にならないこと」まで見極める項目を分解してあれば、聞くべきことは自動的に決まります。
そのため話術は不要です。
決めた項目を決めた質問で確認するだけですみます。
このように準備と基準さえ整えば、面接官の経験年数は結果をほとんど左右しません。
逆に言えば、ここを飛ばした面接は、誰がやっても印象論に終わってしまいます。
【STEP1】 面接で「何を準備するか」は面接官の役割から逆算する

面接準備でつまずくのは、手順を知らないからではなく何のために準備するかが曖昧なままだからです。
まず面接官が何を担っているかを整理し、そこから必要な準備を割り出していく必要があります。
・まず面接官が担う2つの役割を理解する
・求める人物像を「評価できる項目」に分解する
・誰が面接官を担当すべきか
・応募書類の事前確認と面接シナリオの用意
まず面接官が担う2つの役割を理解する
面接官が担う役割は「見極め」と「動機形成」の2つです。
この2つを分けて認識しておかないと、準備すべきものが決まりません。
応募者が自社で働けるか見極めるために必要になるのは、判断の基準と質問です。
動機形成とは応募者に「ここで働きたい」と思ってもらうこと。
そのため面接の準備をする際は、自社を伝える材料と時間の確保が要ります。
見極めの準備だけをして面接に臨むと、応募者を評価はできても辞退される確率が上がります。
逆に動機形成に寄りすぎると、会社説明ばかりで相手のことが分からないまま面接が終わってしまうでしょう。
面接は、応募者が企業を選ぶ場でもあります。
見極めと動機形成の両方に準備時間を割り当てるところから、面接の準備は始まります。
求める人物像を「評価できる項目」に分解する
見極めの準備で最初にやるべきなのは、求める人物像を評価できる粒度まで分解することです。
たとえば「明るい人」「責任感のある人」のままでは、面接官が何人いても評価は揃いません。
評価項目を分解する際は、必須条件、歓迎条件、不可条件の3つに分けます。
必須条件:これがなければ採用しないという最低限必要な条件
歓迎条件:あれば加点する条件
不可条件:他がどれだけ良くても見送る条件
アルバイト採用なら、必須条件は「平日夕方以降に週3日入れること」といったシフト適性が中心になるでしょう。
不可条件には「無断欠勤の可能性が高い」など、現場が回らなくなる条件が入ります。
中途採用の場合、「経験3年以上」と書くだけでは足りません。
3年の中で何を任され、どう成果を出したのかまで確認できる形にしておく必要があります。
誰が面接官を担当すべきか
面接官は見極めたい項目を判断できる人が担当するのが原則です。
スキルを見極めたいなら現場の責任者、一緒に働くうえでの相性を見たいなら配属先のメンバーが向いています。
ただしこれは理想論に近い話でもあります。
アルバイト採用の現場では店長や拠点長が面接をするしかない状況がほとんどでしょう。
店長や現場責任者が面接官を担当することを踏まえると、面接を任された側が確認すべきことが見えてきます。
それは渡された評価項目が、自分の目線で判断できるものになっているかどうかです。
たとえば本部から「主体性のある人を採ってほしい」とだけ言われた場合、その場で判断できる状態にはなっていません。
そのため判断できない項目が残っているなら、面接の前に本部や人事に確認しましょう。
この確認を面接後に回すと、「結局何を基準に採用すれば良いのだろう?」と悩むことになります。
応募書類の事前確認と面接シナリオの用意
面接当日までに応募書類を読み込み、面接の進行を時間単位で決めておきます。
この2つを飛ばすと、限られた時間で確認すべきことが確認できません。
応募書類の確認では、評価項目に照らして「聞かないと分からないこと」を洗い出します。
職歴の空白期間や短期間での転職といった気になる点があれば、そこを深掘りする質問を用意しておきましょう。
面接シナリオでは、各パートに何分使うかを決めます。
アルバイト面接なら、アイスブレイクに3分、会社と仕事の説明に7分、応募者への質問に15分、逆質問と事務連絡に5分といった配分が目安です。
なお配分を決める理由は、時間切れを防ぐためだけではありません。
動機形成の時間を先に確保しておかないと、見極めの質問に時間を使い切ってしまうからです。
【STEP2】 質問設計ではまず聞くこと・聞かないことを決める
質問設計とは、話す内容を考えることではなく、確認する項目と確認しない項目を切り分ける作業です。
聞くことを決めれば時間配分が決まり、聞かないことを決めれば法令上のリスクが避けられます。
・構造化面接・半構造化面接という考え方
・【アルバイト採用】面接で使える質問例
・【中途採用】面接で使える質問例
・応募者の回答を掘り下げる手法
・面接官が聞いてはいけないNG質問例
構造化面接・半構造化面接という考え方
構造化面接とは、質問の内容と順序をあらかじめ決めておき、どの応募者にも同じ質問をする方式です。
面接官が変わっても同じ質問になるため、評価を比較できる状態が作れます。
対してその場の流れで質問を組み立てる方式は非構造化面接と呼ばれます。
会話は弾みやすいものの、応募者ごとに聞いた内容が違うため、後から比較ができません。
ただし構造化面接にも難点があります。
決めた質問をなぞるだけになるため、応募者の事情に踏み込めず、面接が単調になりがちです。
そこで実務では、両者の中間である半構造化面接がおすすめです。
これは必ず聞く質問を5つ程度決めておき、掘り下げは面接官の裁量に任せる方式です。
これにより比較できる土台を残しつつ、応募者ごとの事情も拾えます。
【アルバイト採用】面接で使える質問例
アルバイト面接では、「シフト適性」「勤務継続の可否」「現場との相性」の3つを中心に質問を組み立てます。
この3つが、採用後に問題になりやすい領域だからです。
シフト適性を確認する質問は、次のようなものになります。
・週に何日、どの曜日と時間帯に入れますか
・学校やご家庭の予定で、シフトが変わる可能性はありますか
・繁忙期に勤務日を増やすことは可能ですか
・いつから勤務を開始できますか
勤務継続の可否を見る質問では、過去の働き方から判断します。
・前のアルバイトはどのくらいの期間、続けられましたか
・辞めた理由を教えていただけますか
・通勤にはどのくらい時間がかかりますか
現場との相性を見る質問は、実際の業務場面を想定して聞きます。
・忙しい時間帯に複数のお客様から同時に呼ばれたら、どうしますか
・お客様から強い口調で指摘を受けたことはありますか。そのときどう対応しましたか
・分からないことがあったとき、どうやって解決してきましたか
シフト適性を最初に確認する理由は、ここが合わなければ他の項目を見る意味がなくなるためです。
人柄が良くても、必要な時間帯に入れなければ現場は回りません。
【中途採用】面接で使える質問例
中途採用では「経験の再現性」「転職理由」「価値観」の3つを確認します。
書類に書かれた経歴が、自社でも同じように機能するかを見極めるためです。
経験の再現性を確認する質問は、成果の中身に踏み込みます。
・直近の職務で、最も成果が出た取り組みを教えてください
・その成果は、どこまでがご自身の担当範囲でしたか
・同じ成果を、環境が変わっても出せると思いますか。
・その理由は何ですか チームで動く際、どのような役割を担うことが多かったですか
転職理由を聞く質問では、退職の背景を確認します。
・転職を考え始めたきっかけは何でしたか
・現職では解決できないと判断された理由を教えてください
・弊社で実現したいことは何ですか
価値観を確認する質問は、働き方の前提を揃えるためのものです。
・どのような職場だと力を発揮しやすいですか
・仕事で優先したいことを教えてください
経験を聞く際は、「何をしたか」ではなく「どこまでが自分の担当だったか」まで確認します。
組織の成果を自分の成果として語る応募者は少なくないため、範囲を切り分けないと再現性が判断できません。
応募者の回答を掘り下げる手法
質問には、自由に答えられるオープンクエスチョンと、はい・いいえで答えられるクローズドクエスチョンがあります。
この2つを使い分けると、確認したい内容に応じた回答が引き出しやすくなります。
たとえばシフトの可否や資格の有無など、事実を確認する場面ではクローズドクエスチョンが適当です。
応募者の考え方や行動を知りたい場面では、「前の職場で工夫していたことはありますか」といったオープンクエスチョンを使いましょう。
また回答が抽象的だった場合は、5W1Hで具体化するのをおすすめします。
「頑張りました」という答えに対して、いつ、どの場面で、誰と、どのように取り組んだのかを順に確認してください。
ただし掘り下げには限度があります。
同じ話題を何度も追及すると応募者は詰問されていると感じるため、評価項目に関わる部分に絞るのが無難です。
面接官が聞いてはいけないNG質問例
面接では、応募者の適性や能力と関係のない事項を尋ねてはいけません。
把握するだけで採否の判断に影響し、就職差別につながるおそれがあるためです。
厚生労働省は「公正な採用選考の基本」において、就職差別につながるおそれがある14の事項を示しています。
本人に責任のない事項には本籍・出生地、家族の職業や収入、住宅の状況などが、本来自由であるべき事項には宗教、支持政党、人生観や生活信条、尊敬する人物などが含まれます。
注意が必要なのは、雑談のつもりの質問が該当してしまう場合です。
アイスブレイクで「ご家族は何をされているんですか」「どちらのご出身ですか」と尋ねるのは、本人に責任のない事項の把握にあたります。
聞いてよいかどうかの線引きは、その情報が評価項目にあるかどうかで決まります。
シフトの都合を知りたいなら「勤務可能な曜日と時間帯を教えてください」と聞けば十分で、家庭の事情まで踏み込む必要はありません。
そのため評価項目をしっかり分解しておけば、NG質問は自然と口から出なくなります。
応募者を不当に扱わないためにも、評価項目の準備は欠かせません。
面接のやり方を体系化し優秀な人材の見極めから定着までを採用に導く実践ガイド

面接を任されたけど、何から始めたらよいかわからない方や採用しても定着せずお困りの方に。
この資料では、アルバイト・中途採用それぞれの質問設計のやり方や明日から使える面接ノウハウを紹介しています。
【STEP3】 評価方法で「なんとなく良さそう」を排除する

面接後の評価は、印象ではなく事実に基づいて記録します。
記録の形式と運用ルールを決めておけば、面接官が複数いても評価を突き合わせられる状態が作れます。
・評価項目と判断基準を言語化
・評価シートには感想ではなく事実を記録
・複数の面接官で評価をすり合わせる
評価項目と判断基準を言語化
評価シートには、評価項目と判断基準の両方を記載します。
項目だけを並べても、何点をつけるべきかが決まらないためです。
たとえば「主体性」という項目を5段階で評価するとします。
基準がなければ、ある面接官は3点、別の面接官は5点をつけるでしょう。
判断基準は、点数ごとに具体的な状態を書き込みます。
「5点=指示がない状況で自ら課題を見つけ、行動した経験を具体的に語れる」「3点=指示された範囲で工夫した経験を語れる」「1点=指示待ちの経験しか語られない」などです。
評価項目は、準備段階で設定した必須条件と歓迎条件をそのまま使います。
項目数の目安は5つから7つ程度で、10を超えると面接中に確認しきれません。
評価シートには感想ではなく事実を記録
評価シートに書くのは、応募者が話した内容と面接官が観察した行動です。
「明るい印象」「感じが良い」といった感想は書きません。
感想が問題なのは、後から検証できないためです。
一方「前職で新人教育を任され、3名を担当したと述べた」という事実であれば、入社後の働きぶりと突き合わせられます。
記録の形式は、応募者の発言をそのまま書き留めるのが基本です。
要約すると面接官の解釈が混ざるため、時間がなければキーワードだけでも構いません。
点数をつける際は、記録した事実を基準に照らします。
順序が逆になると、先に印象で点数を決めて、後から理由を探すことになります。
複数の面接官で評価をすり合わせる
面接官が複数いる場合は、評価シートを記入した後に点数の根拠を突き合わせます。
どちらが正しいかではなく、なぜ差が出たかを確認するためです。
差が出る理由は、多くの場合2つに絞られます。
見ていた場面が違うか、基準の解釈が違うかです。
前者であれば情報を共有すれば済み、後者であれば基準の書き方を修正する必要があります。
すり合わせの場では、点数から議論を始めないことです。
「4点でした」ではなく「この発言があったので4点にしました」と根拠から述べれば、解釈のズレがどこにあるかが見えます。
面接前に数分だけ実施する方法もあります。
今回の募集で最優先に確認する項目を確認しておく形で、事後のすり合わせより負荷が軽く済むのです。
【無料】評価項目も、5段階の判断基準も。評価がブレない面接評価シートのテンプレート

本テンプレートには、採用ペルソナ設計シート、評価項目一覧、面接質問例、5段階評価シート、採用判定欄を収録しています。
自社の求める人物像に合わせて項目を差し替えれば、明日の面接から使える状態になります。
【STEP4】 面接では見極めと口説きを両立させる
当日の進行では、限られた時間を見極めと動機形成に振り分けます。
準備した質問を確認するだけでなく、応募者に選ばれるための時間を確保することが、辞退を防ぐために必要です。
・面接の基本的な流れ
・面接官が避けるべきNG行動
・逆質問と事務連絡が辞退率を左右する
・オンライン面接を実施する場合の注意点
面接の基本的な流れ
面接はアイスブレイク、会社と仕事の説明、応募者への質問、逆質問、事務連絡の順に進めます。
最初のアイスブレイクは、応募者の緊張をほぐすためのものです。
天候や道順の話で構いませんが、家族や出身地の話をするのは避けてください。
次に会社と仕事の説明を行う理由は、応募者が自社の仕事を理解した状態で答えられるようにするためです。
仕事内容が分からないまま「うちで働けますか」と聞いても、答えようがありません。
時間が押した場合に削られやすいのは、会社説明と逆質問です。
しかしこの2つは動機形成を担う部分であり、削るなら質問項目の優先度が低いものからにしましょう。
面接官が避けるべきNG行動
面接官の振る舞いは、応募者の入社意欲に直接影響します。
見極めに集中するあまり、選ばれる側であることを忘れた態度になってはいけません。
避けるべき行動として、腕を組む、応募者の目を見ない、書類に目を落としたまま質問する、といったものがあります。
いずれも応募者に威圧感を与え、率直な回答を引き出せなくします。
また回答を遮る、否定する、持論を述べるといった行動も同様です。
面接官が話す時間が長い面接は、見極めの情報が集まらないうえ、応募者の印象も悪くなります。
圧迫的な質問でストレス耐性を測る手法もありますが、決しておすすめできるものではありません。
応募者が萎縮し、辞退につながるため注意が必要です。
逆質問と事務連絡が辞退率を左右する
面接の終盤にある逆質問と事務連絡は、事務的な締めではありません。
応募者が入社を決める材料を得る場であり、辞退を防ぐ最後の機会です。
逆質問の時間は5分程度確保します。
「何か質問はありますか」と一言で終わらせず、「働き方や仕事内容で気になることがあれば、どんなことでも聞いてください」と促しましょう。
事務連絡では、合否をいつ、どの方法で伝えるかを明示します。
「後日ご連絡します」では応募者は待つ期間が分からず、他社の選考が進んでいる場合は待っている間に決まってしまいます。
アルバイト採用では、可能であれば当日中や翌日の連絡が望ましいでしょう。
応募者は複数の店舗に応募していることが多く、最初に連絡が来た店舗に決める場合があります。
オンライン面接を実施する場合の注意点
オンライン面接は、遠方の応募者や日程が合わない応募者との接点を作れます。
一方で対面とは異なる準備が必要になります。
まず準備すべきなのは通信環境です。
応募者の映像が途切れることはあっても、面接官の側で問題が起きると会社への信頼が下がるためです。
また画面越しでは、表情や姿勢といった情報が対面ほど伝わりません。
うなずきを大きめにする、相づちを言葉で入れるなど、聞いていることを明確に示す必要があります。
さらに評価の面でも注意が要ります。
画面越しの印象は通信品質や照明に左右されるため、事実を記録する原則はオンラインでこそ重要です。
それでも評価はブレる!面接官による評価のバラつきが起きる理由

ここまでの4ステップを実行すれば、面接の質は安定します。
ただし面接官による評価のバラつきが完全に消えるわけではありません。
・基準を作っても解釈は人によってズレる
・認知バイアスは知識では防ぎきれない
・面接官が多いほど基準は統一できない
基準を作っても解釈は人によってズレる
評価基準を言語化しても、その言葉をどう読むかは面接官によって変わります。
基準は言葉で書かれる以上、解釈の余地が残るためです。
たとえば「指示がない状況で自ら課題を見つけ、行動した経験を語れる」という基準を用意したとします。
ある面接官は「シフトの穴を見つけて自分から埋めた」という話を該当と判断し、別の面接官は「それは指示されなくても当然やること」と考えるでしょう。
どちらも基準に照らして判断しており、手を抜いているわけではありません。
基準の言葉が同じでも、その言葉が指す範囲の認識が違うだけです。
すり合わせを繰り返せば、この差は縮まります。
認知バイアスは知識では防ぎきれない
人間である以上、面接官が応募者を判断する際に、認知が偏るのは避けられません。
厄介なのは、認知が偏っていることを本人が自覚できない点です。
代表的なものにハロー効果があります。
これは有名企業での勤務経験がある応募者に、確認していない項目まで好意的な点数をつけてしまうといった認知バイアスです。
こうした偏りは、面接の序盤ほど働きやすい傾向にあります。
最初の数分で「この人は良さそうだ」と感じると、良い部分ばかりが目に入り、懸念材料が軽く見えてしまうのはよくあることです。 こうした認知の偏りは、存在を知れば防げるというものではありません。
評価シートに事実を記録する運用はこの影響を減らす仕組みです。
面接官が多いほど基準は統一できない
面接官の人数が増えるほど、統一した基準を維持することは難しくなります。
基準を配ることと、基準通りに運用されることは別だからです。
店舗や拠点が分かれている場合、この問題は顕著になります。
本部が評価シートを配布しても、各店舗で実際にどう運用されているかは気づけません。
店長が異動すればその拠点の面接基準は事実上リセットされ、新任の店長は自分の解釈で運用を始めます。
これは面接官の意識の問題ではなく、拠点数と人の流動性がもたらす構造的な問題です。
教育を徹底すれば解決するという性質のものではありません。
面接官の評価のバラつきをなくす3つの方法

評価のバラつきは、面接官の努力では解消しきれません。
人を鍛える、型で縛る、人の判断を減らすという3つの方向から、自社に合う手を選んでみてください。
方法①:トレーニングや研修で面接官を鍛える
方法②:マニュアルを整備して型で縛る
方法③:AIを利用して評価基準が一定となる書類選考や面接をする
方法①:トレーニングや研修で面接官を鍛える
面接官トレーニングは、座学とロールプレイングを組み合わせて、面接官の判断力を高める方法です。
基準の解釈を揃えるうえで、最も直接的な手段になります。
ロールプレイングでは、実際に面接を実演し、その場で評価をつけて根拠を突き合わせます。
解釈のズレが目に見える状態で表れるため、すり合わせが進みます。
効果が高い一方で、負荷も大きい方法です。
面接官全員を集める時間の確保が必要になり、面接官が入れ替わるたびに実施しなければ効果は維持されません。
自社で内製するほか、求人広告代理店や人材サービス各社が提供する研修を利用する選択肢もあります。
面接官の人数が限られており継続的に育てたい企業には向きますが、多拠点で入れ替わりが激しい場合は費用対効果が合わないことがあります。
方法②:マニュアルを整備して型で縛る
面接官マニュアルは、面接の進め方と評価の仕方を文書化し、誰が面接をしても同じ手順になる状態を作る方法です。
トレーニングと違い、人が入れ替わっても残ります。
マニュアルに含めるのは、面接の流れ、必ず聞く質問、評価項目と判断基準、NG質問の一覧です。
動画で作成すれば面接の実演を含められるため、多拠点の企業では集合研修の代わりにもなります。
弱点は形骸化しやすく、配布して終わりにすると現場では読まれない可能性があるのです。
また自社で一から作ると数か月かかることもあるため、制作を外部に委託する方法もあります。
拠点数が多く面接官の入れ替わりが頻繁な企業には向きますが、マニュアルが実際に使われているかを確認する仕組みは別途必要です。
方法③:AIを利用して評価基準が一定となる書類選考や面接をする
AI面接は質問と評価をAIが担うことで、面接官による判断の差をなくす方法です。
同じ質問を同じ基準で評価するため、誰が面接をしたかによる差が生じません。
アルバイト採用では、面接そのものをAIに任せる使い方ができます。
24時間受け付けられるため日程調整が不要になり、店長が面接業務から解放されるのです。
中途採用では、書類選考の段階で使う方法があります。
書類だけでは分からない資質を応募者全員に同じ基準で確認できるため、誰が書類を読むかで通過者が変わる問題を避けられます。
導入には費用と社内の理解が必要です。
また面接のすべてを代替できるわけではなく、動機形成と最終判断は人が担う必要があります。
自社に合う方法の選び方
ここで紹介した3つの方法は、どれが優れているという関係ではありません。
自社の面接官の人数、拠点の数、面接の頻度によって、合うものが変わります。
たとえば面接官が数名で継続的に育てたいのであればトレーニングが向いています。
また拠点が多く入れ替わりが頻繁であれば、人に依存せず基準を残せるマニュアルが有効でしょう。
面接をする時間がなかったり、頻度が低くて基準が定着しなかったりするのであれば、AIを使う方法が適しています。
なお実際にはマニュアルで型を配り、AI面接で一次選考を行い、最終判断は人が下すといった組み合わせも多く見られます。
まず確認すべきは、自社のバラつきがどこで起きているかです。
「解釈のズレ」「基準の不一致」「そもそも面接をする時間がない」など、原因によって、選ぶべき方法は変わります。
AIが質問を深掘りし、同じ基準で評価する。対話型AI面接「SHaiN」

SHaiNでは、AIが面接での会話の流れに応じて質問を掘り下げるため、実際の経験や行動をもとに評価を行えます。
また評価の根拠は面接評価レポートとして手元に届き、その後の対人面接での確認事項や動機付けにも使えますよ!
面接は「腕」ではなく「設計」で決まる
面接官のやり方は、話術ではなく準備と基準で決まります。
求める人物像を評価できる項目に分解し、聞くことと聞かないことを決め、事実を記録する。
この4ステップを踏めば、面接官の経験年数に関わらず面接の質は安定します。
ただし、人が判断する以上、評価のバラつきは残ります。トレーニング、マニュアル、AIの活用から、自社の状況に合う手を選びましょう。








