採用トレンド

2026.06.18

警備業界の人手不足はなぜ?採用・DX化で解決する効果的な対策を解説!

警備業界の人手不足はなぜ?採用・DX化で解決する効果的な対策を解説!

警備業界は社会の安全を守る重要な役割を担っていますが、深刻な人手不足に直面しています。
この問題は企業の経営に大きな影響を与えかねません。
この記事では警備業界で人手不足が起こる根本的な原因を多角的に分析し、採用活動の改善やDX化の推進による具体的な解消策を解説します。

現状を正しく理解し、自社の状況に合わせて効果的な対策を選択してみてはいかがでしょうか。

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警備業界の人手不足はなぜ深刻?有効求人倍率と高齢化の現状

警備業界の人手不足の深刻さは、客観的なデータから読み取れます。
厚生労働省が発表している職業別労働市場関係指標によると、警備員の2025年有効求人倍率は平均6.58倍と常に高い水準で推移しています。

これは全職業の平均1.12倍と大きく上回ります。

つまり1人の求職者に対して6件以上の求人があることを示し、企業側がいかに人材確保に苦戦しているかを物語ります。

さらに、業界全体の高齢化も深刻な課題です。
警備員の46.1%が60歳以上というデータもあり、若年層の入職者が少ない一方でベテラン層の引退が続く構造的な問題を抱えています。

参照:令和4年における警備業の概況警察庁生活安全局生活安全企画課

警備業界で人手不足が加速する5つの根本原因

警備業界で人手不足が加速する5つの根本原因

警備業界の人手不足は、単一の原因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合って深刻化しています。
業界イメージ、労働条件、キャリア形成、採用戦略といった側面から、人手不足を加速させている5つの根本原因を掘り下げていきます。

・原因1:「きつい・危険」というネガティブな業界イメージの定着
・原因2:他産業と比較して低い賃金水準
・原因3:キャリアアップの道筋が見えにくい
・原因4:採用ターゲットが若年層に偏っている
・原因5:旧来の採用手法から脱却できていない

原因1:「きつい・危険」というネガティブな業界イメージの定着

警備の仕事には、「きつい・危険・汚い」といった、いわゆる3Kのイメージが根強く定着しています。
長時間の立ち仕事や夜間勤務、夏場や冬場の屋外での業務など、体力的な負担が大きいという側面は否定できません。
こうした過酷な労働環境のイメージが先行し、特に若年層からの人気を得にくく、求職者から敬遠される大きな要因となっています。

実際の業務では施設警備など負担の少ない仕事も多いものの、ネガティブな先入観が人材確保の障壁となっています

原因2:他産業と比較して低い賃金水準

警備員の賃金は、全産業の平均と比較して低い水準にとどまっているのが現状です。
業務には責任感や体力が求められるにもかかわらず、その対価が十分ではないと感じる求職者は少なくありません。
特に、より良い条件を求めて他産業へ人材が流出しやすく、新たな人材の獲得も困難になるのです。

警備という社会の安全を支える重要な役割に見合った給与体系を整備することが、人材を惹きつけ、定着させる上で不可欠な要素です。

原因3:キャリアアップの道筋が見えにくい

警備業では入社後のキャリアパスが不明確で、将来的な成長をイメージしにくいという課題があります。
警備業務検定などの資格取得制度は存在するものの、それがどのように昇進や昇給につながるのか、具体的なモデルケースが社内で十分に示されていないケースが少なくありません。

キャリアアップの道筋が見えなければ仕事へのモチベーションを維持することが難しく、スキルを磨いて長く働き続けようという意欲も湧きにくくなります。

原因4:採用ターゲットが若年層に偏っている

多くの警備会社では、採用活動の主なターゲットを若年層に設定しています。
しかし少子高齢化が進む現代において、若年層の労働力人口は減少の一途をたどっており、限られたパイを多くの業界で奪い合っているのが実情です。
若年層に固執するあまり、採用の可能性を自ら狭めてしまっている可能性があります。

意欲のあるシニア層や女性外国人材など、より多様な層に目を向ける視点がなければ、採用競争で優位に立つことは困難です。

原因5:旧来の採用手法から脱却できていない

紙の求人誌といった従来型の採用手法に依存している企業が依然として多いことも、人手不足の一因です。
現代の求職者の多くは、インターネットの求人サイトやSNSを活用して仕事を探しています。
こうしたデジタルのプラットフォームを効果的に活用できていないと、そもそも求職者の目に触れる機会が減ってしまいます。

時代の変化に合わせて採用チャネルを多様化・最適化できていないことが、応募者の母集団形成を妨げています。

採用手法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

人手不足が警備会社の経営を圧迫する3つのリスク

人手不足が警備会社の経営を圧迫する3つのリスク

人手不足は単なる採用の問題にとどまらず、警備会社の経営基盤そのものを揺るがす深刻なリスクをはらんでいます。
売上の減少から警備品質の低下、さらにはコストの増大まで、企業経営を直接的に圧迫する3つのリスクについて解説します。

・リスク1:受注機会の損失による売上減少
・リスク2:不十分な研修による警備品質の低下とクレーム増加
・リスク3:採用コストの高騰による利益の圧迫

リスク1:受注機会の損失による売上減少

人手不足が深刻化すると、商業施設やイベント会場などから警備の依頼があっても、配置できる警備員を確保できずに受注を断らざるを得ない状況が発生します。
これは、本来得られるはずだった売上を逃す「機会損失」に直結します。
こうした状況が続けば、企業の成長が停滞するだけでなく、既存の取引先からの信頼を失うことにもつながりかねません。

警備業にとって、安定した人員の確保は事業継続の生命線です。

リスク2:不十分な研修による警備品質の低下とクレーム増加

慢性的な人手不足は、現場の警備員一人ひとりへの負担を増大させます。
特に新しく採用した人材に対して、法定研修は実施するものの、現場での実践的な教育に十分な時間を割けなくなる恐れがあります。
その結果、警備員のスキルや対応力が未熟なまま現場に配置されることになり、警備品質の低下を招きます

サービスの質が落ちれば、顧客からのクレーム増加や、最悪の場合、契約の打ち切りといった事態につながるリスクがあります。

リスク3:採用コストの高騰による利益の圧迫

人材獲得競争が激化する中で人手を確保しようとすれば、必然的に採用コストは増加します。
応募者を一人でも多く集めるために、求人広告への出稿費用を増やしたり、人材紹介会社へ支払う手数料が高額になったりします。
つまり人手不足を解消しようとするほどコストがかさみ、企業の利益を圧迫するという悪循環に陥る可能性があるのです。

これは、経営の安定性を損なうだけでなく、従業員の給与や待遇改善に回す原資を削ることにもつながります。
採用コストの削減については、以下の記事をご覧ください。

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【採用編】警備業界の人手不足を解消する4つの打ち手

【採用編】警備業界の人手不足を解消する4つの打ち手

警備業界が直面する人手不足を解消するためには、旧来のやり方を見直し、戦略的な採用活動を展開することが不可欠です。
求職者の心に響く情報発信や、採用チャネルの拡大、ターゲット層の多様化など、応募者の母集団を形成し、ミスマッチを防ぐための具体的な4つの打ち手を解説します。

打ち手1:若手や未経験者に仕事の魅力を伝える求人を作成する

ネガティブなイメージを払拭し、若手や未経験者からの人気を集めるには、仕事の魅力を具体的に伝える求人内容が不可欠です。
「社会の安全を守る」という社会貢献性や、イベント警備のような非日常を体験できる面白さ、資格取得による専門性の向上など、ポジティブな側面を積極的にアピールします。
また経験の有無を問わず安心してスタートできるよう、法定研修に加えて独自の研修制度が充実していることを明記し、応募のハードルを下げることが有効です。

打ち手2:Web求人媒体やSNSを活用し応募の母集団を拡大する

現代の求職活動において、Web求人媒体やSNSは主要な情報源です。
若年層からミドル層まで、幅広い層にアプローチするために、これらのデジタルツールを積極的に活用することが求められます。
ターゲットとする層が多く利用する求人サイトに掲載するだけでなく、企業の公式SNSアカウントを開設し、職場の雰囲気や先輩社員のインタビュー、日々の業務内容などを発信することで、求職者に親近感を与え応募のきっかけを作ることができます。

打ち手3:シニア層や外国人材へ採用ターゲットを広げる

採用の対象を若年層に限定せず、働く意欲のある元気なシニア層や、日本での就労を希望する外国人材にも広げることで、採用の可能性は大きく広がります。
シニア層には体力的な負担が少ない施設警備や座哨業務を、外国人材には言語能力が活かせる商業施設での案内業務などを任せるなど、それぞれの特性に合わせた働き方を提案することが重要です。
多様な人材が活躍できる環境を整えることで、安定した人材確保につながります。

打ち手4:自社の採用サイトを強化しミスマッチを防止する

求人媒体の情報だけでは伝えきれない企業の魅力を発信するために、自社の採用サイトを充実させることが重要です。
具体的な業務内容、一日のスケジュール、キャリアパスのモデル、福利厚生の詳細、社員インタビューといったコンテンツを豊富に掲載することで、求職者は入社後の働き方を具体的にイメージできます。

これにより、入社前後のギャップを減らし、価値観の不一致による早期離職、いわゆるミスマッチを効果的に防止します。

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【定着編】採用した人材の離職を防ぐ職場環境4つの改善策

【定着編】採用した人材の離職を防ぐ職場環境4つの改善策

人手不足の解消には、新たな人材を採用することと同じくらい、既存の従業員に長く働き続けてもらうことが重要です。
以下4つの観点で定着率を高めるための職場環境改善策を紹介します。

・打ち手1:給与前払い制度など独自の福利厚生を充実させる
・打ち手2:資格取得支援制度でキャリアパスを明確にする
・打ち手3:体力的な負担を軽減する装備やツールを導入する
・打ち手4:指導の環境整備やコミュニケーションの促進を行う

打ち手1:給与前払い制度など独自の福利厚生を充実させる

従業員の生活を支え、満足度を高めるためには、法定福利厚生に加えた独自の制度の導入が効果的です。

例えば、急な出費にも対応できる給与前払い制度は、特に若い警備員にとって魅力的に映ります。
その他にも、住宅手当や家族手当、資格取得祝い金などを充実させることで、経済的な安心感を提供できます。

他社との差別化を図れるような魅力的な福利厚生は、従業員の定着率向上に直接的につながります。

  アルバイト人手不足の原因と改善のポイント | 自社アンケート結果をもとに紹介

打ち手2:資格取得支援制度でキャリアパスを明確にする

従業員が将来の展望を持って働き続けられるよう、キャリアパスを明確に示すことが重要です。
その一環として、警備業務検定や指導教育責任者といった専門資格の取得を支援する制度を設けることが有効です。
受験費用の補助や、資格取得に向けた勉強会の開催など、会社が積極的にスキルアップを後押しする姿勢を見せることで、従業員の学習意欲を高めます

資格手当を支給し、努力が正当に評価される仕組みを整えることは、警備業での長期的なキャリア形成を促します。

打ち手3:体力的な負担を軽減する装備やツールを導入する

警備員の身体的な負担を軽減することは、離職率低下と労働意欲の維持に直結します。
特に屋外での勤務が多い場合、夏場の熱中症対策としてファン付きの空調服を支給したり、冬場の厳しい寒さをしのぐための高性能な防寒着を導入したりといった対策が有効です。
また、隊員同士がスムーズに連携できるよう、最新のインカムを導入することも、業務効率化とストレス軽減に役立ちます。

打ち手4:指導の環境整備やコミュニケーションの促進を行う

定着に繋げるには、コミュニケーションが取りやすい環境整備が何よりも重要です。

人手不足の状況だと、教育環境を整えられなかったりコミュニケーションが薄くなったりします。

マニュアルや連絡事項を共有しやすいプラットフォームを準備したり、定期的に面談機会を確保すると不安を軽減できるかもしれません。

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【DX化】省人化を実現する警備のIT活用最新事例

採用や定着率の向上と並行して、テクノロジーを活用した省人化・省力化を進めることも、人手不足解消の鍵となります。
AIやロボット、クラウドシステムなどを警備業務や管理業務に導入することで、少ない人数でも高い品質のサービスを提供することが可能です。
DXによる最新の解決策を紹介します。

AIカメラやドローンによる遠隔監視で業務を効率化する

従来の人の目による監視に加えて、AI技術を搭載した監視カメラやドローンを活用することで、警備の効率と精度は飛躍的に向上します。
AIカメラは、侵入者や不審な行動を自動で検知し即座に警備室へ通報します。
ドローンは広大な敷地や高所など、人が巡回しにくい場所の監視を容易にします。

特に施設警備において、これらの技術は警備員の負担を軽減し、より重要な判断や対応に集中させることを可能にします。

警備ロボットを導入し巡回や立哨業務を自動化する

近年、商業施設やオフィスビルなどで、自律走行する警備ロボットの導入事例が増えています。
これらのロボットは、決められたルートを24時間正確に巡回し、搭載されたカメラやセンサーで周囲の状況を監視します。
定型的な巡回や立哨業務をロボットに任せることで、警備員は不審者対応や緊急時の初動対応といった、より高度な業務に専念できます。

施設警備における省人化の切り札として期待されています。

勤怠管理システムで労務管理の負担を軽減する

警備業は、日勤や夜勤、24時間勤務などシフトが複雑で、労務管理が煩雑になりがちです。
クラウド型の勤怠管理システムを導入することで、スマートフォンなどから簡単に出退勤の打刻ができ、シフト作成や給与計算との連携も自動化できます。

これにより、現場の警備員はもちろん、本社の管理部門の事務作業が大幅に削減されます。
組織全体の生産性を高め、管理コストを削減することも、人手不足時代を乗り切るための重要な取り組みです。

【弊社支援事例】警備会社様の課題と解決策

■ 抱えていた課題(Before)
同社では以下のような「警備業界あるある」の課題が顕在化していました。

・拠点ごとに採用がバラバラ(属人化)
・「人が足りないから広告を出す」場当たり的な運用
・採用コストの管理ができていない
・応募データの横断的な把握ができない
・現場の採用意識が低下

特に、全国に拠点があることで採用活動が分散し、全体最適ができていなかった点が大きなボトルネックでした。

■ ノーザンライツの提案
採用体制を以下のとおり抜本的に見直しました。

① 採用窓口の一元化 本部主導で採用を統括。拠点ごとのバラバラ運用を解消
② Indeed×ATSで採用データを可視化 応募数・クリック・採用状況を統一管理 エリアごとの採用難易度を把握
③ 求人設計の最適化 原稿の細分化(勤務地・条件ごとに分割)。内容ブラッシュアップで訴求力強化
④予算配分の最適化 採用難易度×優先度で広告予算を調整 データに基づく運用へ転換
⑤ PDCA運用の徹底

月次振り返り → 改善サイクル構築 単なる媒体改善ではなく、 「採用の仕組みそのもの」を再設計した点がポイントです。 

■ 成果(After)
・ 応募数の大幅増加を実現
・エリアごとの採用状況を可視化

データに基づく採用戦略が可能に 属人化から脱却し、計画的な採用へ転換。
特に、求人原稿の改善と運用設計の見直しによって応募数が大きく伸長した点が重要です。

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まとめ

警備業界が直面する深刻な人手不足は、ネガティブなイメージ、労働条件、旧来の採用手法など複数の要因が絡み合っています。
この課題の解消には、採用ターゲットの拡大やWeb・SNSの活用といった採用戦略の見直し、そして定着率を高めるための職場環境の改善が不可欠です。
さらに、AIカメラや警備ロボットなどのDX技術を導入し、省人化を進めることも有効な手段となります。

これらの対策を複合的に実行することが求められます。

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