飲食業界の人手不足を解消する方法とは!?| 2020年以降の採用データまとめと2023年これからの対策
2022.12.16 更新
新型コロナウイルス(以下、コロナ)の影響を多大に受けた飲食業界。
様々な感染症対策をしながら、徐々に通常の営業体制へと戻りつつある現在、各企業の採用活動はどのように変化してきているのでしょうか。
本記事では、はじめにコロナ流行前~コロナ禍~2022年11月における有効求人倍率の推移、
飲食業界の求人件数・応募採用データを振り返ります。
そして、振り返り内容をもとに、飲食業界が人手不足に陥る原因を考察し、今後の対策について
飲食業界との取引実績が多数あるノーザンライツならではの視点でご紹介します。
2021年10月以降の飲食業界の求人マーケット
有効求人倍率の推移
まずは、厚生労働省が発表している有効求人倍率(含パート)の推移を見てみましょう。
コロナの影響もあり、2021年5月には1.02にまで落ち込んでいましたが、緊急事態宣言解除後の2021年11月では1.15へ上昇、2022年10月末現在では1.35倍にまで回復しています。本格的なコロナ流行前の2020年2月が1.53であったことを考えると、少しずつ従来の水準に戻りつつある傾向が見て取れます。
ただし、感染拡大状況次第では今後の有効求人倍率に再度影響が出てくる可能性もあります。
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2022年10月更新|最新のアルバイト有効求人倍率と労働市場動向
アルバイト系求人メディアによる掲載件数・応募傾向の分析
飲食業界に特化した求人動向として、大手アルバイト系求人メディアから提供されているデータの一部をご紹介します。
各種求人メディアによる掲載件数・応募傾向の分析
大手アルバイトメディアAによると、メディアAにおけるフード・飲食(アルバイト・パート)の求人掲載案件数(全国)は、2020年3/11週に7万6396件/週で最高値を記録してから大幅に落ち込んでおり、2020年5月から2021年8月頃までは、週当たり2万~3万件前後で推移していました。
その後は増加傾向にあり、2021年11/17週では4万8845件迄回復し、その後継続的に2022年11月時に至るまで掲載件数が伸び続けています。
応募数に関しては2020年3月ほどの件数には及ばないものの回復傾向が見られます。
また、大手アルバイトメディアBのデータにおいても、掲載件数の増減傾向はメディアAとほぼ同様の動きをしています(上記グラフ参照)。
直近の2022年11月においては、掲載数が増加している一方で、応募数は減少していることが分かります。
コロナ流行前であれば、求人掲載数と応募数は比例して増減する傾向にありましたが、
2022年11月の「求人掲載が増加しているにも関わらず応募数が減少している」現象からは、
「企業が求人掲載をしても応募が来ない」という昨今の飲食業界ならではの問題が読み取れます。
さらに、大手アルバイトメディアCが算出している「求人応募単価の推移」によると、
求人掲載数の増加、応募数の減少に伴い、2022年11月では全体応募単価が2020年度よりも上昇しています。
これは、コロナ前の2019年度の水準まで上がってきている状態です。
アルバイト採用スコア推移から見る変化
次に、弊社が独自に調査した飲食系チェーン企業様の採用状況をご紹介します。
上記データは、2022年10月の飲食系チェ―ン企業様の採用データをコロナ前の2019年度と比べた「通年対比」「10月対比」で整理したものです。
各社「通年対比」で共通する傾向として、応募単価はまだ抑制出来ている事が伺えます。
一方で、採用単価を見てみると、8社中半数の4社が2019年度と比べ上昇しています。
その中でも直近の10月のスコアでは「和食・定食チェーン」「洋菓子販売/カフェ」「ファミリーレストラン」3社様が通年/10月対比共に上昇する結果となっています。
つまり、2022年10月の飲食系企業様においては、未だ応募単価は抑制しながら応募を獲得している状態であるが採用決定まで至っていない為、採用単価が上昇しているといった状況に直面しているといえます。これは求職者の絶対数が増えない中、求人数の増加によりアルバイト先の選択肢が増え複数同時応募している結果、辞退数も増えているといった事が要因として考えられます。
飲食業界が人手不足に陥る原因
先述のとおり、「募集を出しているのに採用に至っていない状況」にある飲食業界。では、そもそもの必要応募数が獲得できない原因はどこにあるのでしょうか。
コロナの影響を受けた飲食業界イメージによる原因
考えられる原因の一つが「飲食業界に対して求職者が抱くイメージ」によるものです。
居酒屋やレストランなどの対面によるサービスを行っている店舗に関しては、どれほど感染症対策を徹底していても感染リスクが高いというイメージを求職者に持たれ、敬遠されてしまいがちです。
その反面、飲食業界の中でも最近増えている回転寿司店などの非接触型サービスを行う飲食店や
個室タイプの飲食店は、求職者にも比較的好まれやすい傾向にあります。
また、感染リスクの観点以外に、シフト面での不安も飲食業界が避けられやすい理由の一つです。
緊急事態宣言等による営業停止や時短の影響を受けやすいため、「シフトカットされるかもしれない」という不安が求職者について回ります。
コロナ流行を機に一度飲食業界を離れた求職者が、他の業界に移ったきり飲食業界に戻ってこないことも、このような懸念があることに起因すると考えられます。
各社の採用活動活発化による競争の激化
特に2021年11月以降、業界全体の採用活動が急激に復活したこともあり、業界内で求職者の取り合いが起こってしまったことも、(1社あたりの)応募獲得が難しくなった理由の一つです。
(求人件数は2021年11月になって対前年を上回る数に⇒全体で26.5%UP、飲食業界は40~50%UP)
時給も高騰を続けており、新宿・渋谷エリアではカフェダイニング系のお店で時給1400円、
深夜は1750円のお店も登場してきています。
外国人留学生未入国の影響による労働力不足
2022年10月以降、水際対策の緩和がようやく実施されていますが、これまで実施されてきた入国制限も、飲食業界の労働力不足を招く一因となっています。
2021年10月時点では、日本への入国認定者約57万人に対して、在留資格の認定を受けながら来日できていない外国人が約37万人。そのうち、留学生は14万7800人となっており、主に飲食店や清掃業、倉庫業での人材確保に影響を与え続けています。
外国人・留学生アルバイト採用サービス【NLiss】についてこれからの飲食業界の人手不足解消方法とは
飲食業界における人手不足解消のカギは採用DXに有!いくつかの手法をご紹介致します。
応募受付の自動化
よりスピーディーに応募のタイミングから面接設定予約を取り付ける為、チャットボット機能を
活用した応募受付の自動化の波も拡大しています。
特に若年層は電話での応募というアプローチがほぼ皆無になってきている今、応募者の早期囲い込みを実現する手法としてこれからも浸透してくる事と思われます。
詳細はこちらの記事を参照下さい。
採用チャットボット「リクター」とは?面接のオンライン化/自動化(動画面接)
非接触を好む求職者の志向に対応する為、上記のような応募受付の自動化に加えて面接活動においても全ての工程をオンライン面接もしくは動画面接に切り替えるチェーン店様も多く見られるようになってきました。
求職者が動画面接を選択する比率をいかに上げていくかという課題に対しては面接設定時にあえて対面面接を選択させないようにする企業も出てきています。
導入メリットや事例はこちらを参照下さい。
WEB面接ツール「インタビューメーカー」スピーディーに人材の調達を実現する体制づくり
コロナ前の不足人材を解消する方法として取り入れられていた自社登録制アルバイト(単店勤務ではなく自社店舗網内で広域にヘルプ勤務するスタイル)も改めて活用が再開されています。
最近では店舗と求職者双方のスキマ時間を埋めるバイトアプリ等も台頭し、ライフスタイル重視の求職者の支持を集めています。この市場はまだまだ今後伸びると予想されており、その中でもスキマバイト「タイミー」は飲食業界でも注目すべきサービスです。単発系バイトアプリの体験レポートは下記記事を参照下さい。
今話題の単発バイトアプリ登録体験レポート
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今話題のタイミーとは?使い方・手数料など詳しく解説します!
【採用担当者向け】
コロナに影響を受けやすい業界だからこそ従来の採用手法からの脱却を
コロナが収束後もこれから待ち受ける少子高齢化の加速、生産年齢人口の減少等の影響もあり、飲食業界ではいかに人材を確保するかの課題と向き合う必要があります。
最近では人手不足を解消するアプローチとして「モバイルオーダーシステム」の導入や「レジ・配膳業務」を中心とした省人化ロボット導入による人員削減の流れが少しずつ出始めています。
今後さらに各種便利ツールやロボットへの置き換えが進んでいくと思われますが多様な求職者志向を捉えた人材確保の手法も研ぎ澄ましていく必要があります。
株式会社ノーザンライツでは日々飲食業界のお客様への採用支援&改善提案活動を続けておりますので、課題感やお悩み事がありましたら是非お声をお聞かせ頂けると幸いです。